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« 朝カルの「ギリシャ語検定直前対策」 2009年3月28日(土)~ | Main | ギリシャのサマー・フェスティバル 2009 »

July 15, 2009

現代ギリシャ語でギリシャ悲劇

来月始めに、一週間ほどギリシャに行く予定です。今年も、地方公演をする劇団を追いかけての観劇旅行となりそう♪
行き先はヨアニナ、スパルタ、エピダウロス、デルフィで、それぞれ「アルケースティス」、「ペルシア人」(ともに国立劇場)、「トロイアの女」(北ギリシャ国立劇場)、「供養する女たち」(ラリサ地方公立劇場)を見てきます。今年発表の作品で面白そうだなと思ったものが、全て見られそうなので今からワクワクしています。

短い日程でできるだけたくさんの上演を見たかったので、Hellenic Festival のプログラムが発表されてから、劇団の公式サイトや地方のフェスティバルのスケジュール、ギリシャのニュースサイトなどを時々チェックするようにしていました。すると、ちょうどよく上演日の詰まったところを発見。今年はそこを狙って行くことにしました。

また、今年は現代ギリシャ語でも少し予習をしています。
いつもは、原作の日本語訳を読んであらすじをつかむようにしておくのですが、最近ギリシャ語では一体なんて言っているんだろう? と、気になるようになってきたので。
ギリシャのオンライン・ショップで、古典ギリシャ語-現代ギリシャ語の対訳本を購入しました。

 Άλκηστις (アルケースティス)
 Πέρσαι (ペルシア人)
 Τρωάδες (トロイアの女)
 Χοηφόροι (供養する女たち)

ギリシャ語版だけを読み通すというのはさすがに辛いので、日本語訳(ちくま文庫のもの)を読みながら、気になる箇所だけ現代ギリシャ語版で追っていく、という読み方をしました。とりあえずは、あらすじが分かればいいので…。長台詞やコロスの箇所は飛ばしまくりですが、観劇予定の4つの作品はざっと読み終えました。
古典ギリシャ語は読めませんので、そちらは一切見ていません(^^;)。

こんないい加減な読み方でしたが、現代ギリシャ語版のギリシャ悲劇、とっても面白いです。すごく「分かりやすい」現代語訳になっているのです。
日本語訳は、基本的には古典ギリシャ語の原作を日本語に書き換えたもの。訳者によって少し違いますが、語順などできるだけ元のギリシャ語の並びと同じになるように工夫されています。使われている単語も文語調というのでしょうか、格調高く、美しいのですがふだんあまり見かけない言葉だったりします。そのせいか、日本語ではあるのですが、私などにとっては少し読みにくいと感じてしまうこともあります。
ところが古典ギリシャ語→現代ギリシャ語の訳では、意味を変えない程度に文章を短く切ったり、簡単な言い回しを使ったりしているので、直感的に分かりやすくなっているのです。
日本の古典で言えば、「いとをかし」が、「たいへん興味深い」と言い換えられているようなものでしょうか…?

例えば「ペルシア人」冒頭の部分、コロスが自己紹介をするのですが、日本語訳では

「(これなるは)…ダレイオス王の子クセルクセスが親しく選びたまいて国を守らせたもうもの。」(湯井壮四郎訳)

とあります。はじめ、「親しく」の意味がよく分からなかったのです。自分の日本語力のなさを感じてしまいますが…。これが、現代ギリシャ語では

Ο Αφέντης ο Ξέρξες - βασιλιάς Δαρειογέννητος ο ίδιος μας διάλεξε
(主人、クセルクセス - ダレイオス王の子が、自分自身で、我々を選んで)

と書かれていて、あっ、そういう意味なのか! と分かりました。国語の辞書で調べてみると、高貴な人が、自分で何かを直接行うことを「親しい」とか「親しく」というふうに言うんですね。知らなかった…。

それから、「トロイアの女」でカッサンドラが連れ去られる場面。
巫女の身でありながら、敗戦のため相手方の大将の愛人にされることを嘆いて、聖なる髪紐を投げ捨てるところ。
日本語訳では

「ああ、どの神よりも慕わしいアポロンの聖なるしるし、この髪紐ともお別れか。…私の肌の穢れぬうちに…」
「では母上さらば、どうかもうお泣き下さいますな。おお、愛しい祖国よ、今は地下に眠る兄弟たち。また父上よ、」(松平千秋訳)

と書かれています。これもとても美しいのですが、現代ギリシャ語では

Ω στεφάνια του λατρευτού θεού μου ...
Γειά σας
Γειά σας στεφάνια μου, όσο είμαι αγνή ακόμα!

Σ' αφήνω μάνα μου. μην κλάψεις.
Πατρίδα μου Χαίρε
Αδέλφια μου κάτω στη γη Πατέρα μου

という表現でした。うーん、こちらも美しい…。

「ヤ サス」「ヒェレ(ヒェレテ)」なんて、ギリシャ語を習い始めて最初のほうに覚える挨拶ですよね。こんなに美しく悲しい場面でこういった言葉を見かけると、よく知っている言葉がなんだか違って見えるから不思議です。

こんなふうに、覚えやすくて好きな箇所だけでも台詞を記憶しておけば、その場面を見るのが楽しみになりそうです(実際の上演でまったく同じ訳が使われるとは限りませんが)。

今年の観劇予定のうち、「アルケースティス」、「ペルシア人」は初めて見るもの。「供養する女たち」も単独では初めて。「トロイアの女」は、ギリシャ語での上演を見るのは初めて。会場のヨアニナ野外劇場、スパルタのサイノプーリオ円形劇場、デルフィのプリュニコス劇場も、そこで上演を見るのは初めて。
期待が膨らんでしまいます。楽しんできますね!

※引用部分、日本語訳はちくま文庫の「ギリシア悲劇」シリーズから、現代ギリシャ語は ΕΠΙΚΑΙΡΟΤΗΤΑ 社の Αρχαίο Ελληνικό Θέατρο シリーズからです。

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