2008年08月09日
芸術劇場 - カロロス・クン 『鳥』
- bouno
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- カテゴリー:2008 Summer |
- カテゴリー:Theatre
日時:2008年07月20-21日
場所:ヘロド・アティクス音楽堂(アテネ)
原作:アリストファネス
演出:カロロス・クン
出演:芸術劇場
音楽:マノス・ハジダキス
旅行中のmixi日記では、
「芝居は面白かったです。ほぼ満席。古風な演出だな、と思いながら見てた」
としか書けなかったのですが、観劇後に買ったプログラムを見たら、実はカロロス・クンの舞台だったと知りますます興味がわいてしまいました。
カロロス・クン Κάρολος Κουν (1908-1987) はギリシャでは有名な演出家で、芸術劇場(Θέατρο Τέχνης)の主宰者でした。
演劇について専門的に学んだことが無いらしく、はじめ他の演劇関係者から疎まれたこともあるようですが、彼の舞台は大変な人気を博したそうです。1987年に亡くなった時には、国葬が営まれたほどでした。
クンについては山形治江さんの著書『ギリシャ悲劇―古代と現代のはざまで』で名前だけは知っていましたが、ここで彼自身の作品を見ることができたのは全くの偶然で、とてもラッキーでした。
見ている間は、
「面白いんだけど…、ずいぶん古風な演出だなぁ。いまどき神様にかぶりものなんて、あまりやらないんじゃない? わざとそういう効果を狙ってるのかな」
なんて思っていました。
実はこの舞台、1959年の初演。その後も何度か再演されているようですが、今年は生誕100年を記念しての上演だそうです。昔の写真がプログラムに載っていましたが、舞台装置や衣装などほぼ同じで、演出もカロロス・クンとなっていました。なるほど、それなら納得。
とても泥臭くて、垢抜けなくて、ドタバタした舞台という印象なんですが、言葉は分からないまでも登場人物のオーバーアクションでスピード感ある演技が可笑しかったです。例えば、「鳥の国」建国の祝いに神官が祈祷をしてくれるんですが、これはたぶんギリシャ正教の司祭の物まね(ウケてました)。「この書き物をごらん」(×3回)と、全身でおみくじを突きつけるおみくじ売り。
他にも、建国を聞きつけて次々やってくる人々(詩人、監察官、親不孝者…etc.)も、なんというか、ホントに馬鹿々々しいことを大真面目に演じていて、見ていて清々しかったです。
また、使われていた音楽も初演と同じもので、マノス・ハジダキスが作曲したものでした。ハジダキスの名前は、映画『日曜はダメよ』の主題歌で知っている方が多いのではないかと思います。
実は2006年にも、別の演出で『鳥』を見たことがあります。なんとなく聞き覚えがあるような気がして当時のプログラムを見てみたら、その時に使われていたのも同じくハジダキスの作曲した『鳥』でした。
終演後、周りのギリシャ人達が嬉しそうに歌を口ずさんだりしているので、
「もしかして有名な曲なの?」
と思い、調べてみますと、YouTubeなどで見つかりました。なんと、フラングーリスが歌っているヴァージョンがある…(嬉)。
Mario Frangoulis - Kyknoi (swans) (Greek title: kyknoi)
http://jp.youtube.com/watch?v=Mln0G868NYA
歌詞はここにありました。
http://www.stixoi.info/stixoi.php?info=Lyrics&act=details&song_id=7101
原作では 769行目~784行目にあたる箇所で、白鳥とアポロンについて歌っています。
"tio tio tio tix" っていう鳥の鳴き声がかわいい。
音楽だけでも聞きたかったので、GreekBooks で久しぶりにCDを注文しちゃいました。
Οι Όρνιθες του Αριστοφάνη [CD]
http://www.greekbooks.gr/Web/cd/details.aspx?ProductID=018619
[参考文献]
メリナ・メルクーリ 『ギリシャ-わが愛』 藤枝澪子・海辺ゆき訳 合同出版 1975
山形治江 『ギリシャ悲劇―古代と現代のはざまで』 朝日選書 1993
ΔΗ. ΠΕ. ΘΕ. Πάτρας, Όρνιθες - 06, 2006
Θέατρο Τέχνης, Όρνιθες, 2008
Αριστοφάνης, 'Ορνιθες, Επικαιρότητα, 1994
アリストパネス 『ギリシア喜劇II』 ちくま文庫 1986
[参考URL]
芸術劇場
http://www.theatro-technis.gr/
公式サイト。"ΟΡΝΙΘΕΣ 2008" をクリックすると、舞台写真がたくさん見られます。
Όρνιθες [Wikipedia]
http://el.wikipedia.org/wiki/Όρνιθες_(κωμωδία)
アリストファネスの『鳥』について。ギリシャ語版では、「クンの伝説的な『鳥』」についての説明もありました。
Manos Hadjidakis and the Greek Art Theatre (Όρνιθες) [YouTube]
http://jp.youtube.com/watch?v=Q8BI0_BiYtM
1975年の舞台映像。鳥の王テレウスの妻、プロクネの踊り。
ΔΗ. ΠΕ. ΘΕ. Πάτρας : Όρνιθες - 06
http://www.dipethepatras.gr/1/11752.scr
パトラ公立地方劇団の『鳥 - 06』(演出:Θέμης Μουμουλίδης テミス・ムムリディス)。
舞台写真が見られます。こちらの方が、クンの舞台より衣装などがカラフルでおしゃれ。
歌とダンスが得意な劇団で、鳥のしぐさがとても良かったです。
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